- レゲエのサウンドマンってどういう人?
- セレクターやDJとは何が違うの?
- サウンドマンの仕事内容が知りたい
レゲエに興味を持ち始めると、サウンドマンという言葉を聞くようになりますよね。なんとなく言葉は聞くけど「いまいち仕組みや意味がわからない」という人も多くいます。
この記事では、レゲエのサウンドマンとは何をする人なのか、仕事内容や仕組みについて徹底解説しますので、レゲエに興味を持ち始めた人の参考になれば嬉しいです。
レゲエのサウンドマンとは

レゲエのサウンドマンとは超簡単にいうと、レゲエの音楽を流す人(集団、クルー)のことです。
DJと似ていますが、サウンドマンは一般的に曲をかける「セレクター」とマイクで盛り上げたりする「MC」、サウンド・システム(音響装置)の構築や運搬、メンテナンスなどをする「裏方・エンジニア」など、複数人で構成されたグループ(クルー)をまとめた総称です。(単にサウンドと略されることが多い。)
日本で代表的なサウンドには、「MIGHTY CROWN」や「RED SPIDER」、「SPICY CHOCOLATE」などが挙げられ、他にもさまざまなサウンドが存在します。
サウンドマンは一般的にサウンド・システムという移動式の巨大スピーカーとアンプ、ターンテーブル、レコード(ダブプレート)などの音響装置のセットを保有しており、野外やクラブで音楽を流します。
サウンドの構成メンバー
サウンドの構成メンバーや人数は各々のサウンドによってもさまざまで、特に決まっているわけではありません。代表的なサウンドの構成メンバーは以下のとおりです。
- セレクター(DJ)
- MC
- エンジニア
- 裏方
サウンドマンの中には、セレクターDJとMCを同時に行う(マイクで話しながら曲を流す)場合もあります。
DJとセレクターは同じ意味だと理解して大丈夫です。ターンテーブルを使って音楽を流すDJのことをレゲエではセレクターと呼ぶ場合が多いです。
また、レゲエでは歌う人をDeeJay(ディー・ジェイ)と呼びますが、音楽を流すDJ = ディスク・ジョッキーとは違うので注意してください。サウンドの中にDeeJayは含まれません。

呼び方が一緒なのでややこしいですよね
サウンドシステムとは


サウンド・システムとは、巨大スピーカーとアンプ、ターンテーブル、レコード(ダブプレート)などをすべてひっくるめた可動式の音響装置のことです。サウンドマンは一般的に自分たちのサウンド・システムを保有している場合が多く、イベントやダンス(ライブ)の際に現場に持ち運びます。
大型のサウンド・システムから流れる音楽は、空気が震えるほどのとんでもない迫力です。
ダブとは


ダブ(Dub)とは、レゲエのアーティスト(DeeJayやシンガー)が出している音源を変形させた、オリジナルの替え歌のようなものです。
基本的にはサウンドマンがアーティストにお金を払ってダブ録りを依頼し、ダブの曲名やリディム、変えてほしい歌詞などを指定して録ってもらう場合が多いです。(歌詞にはサウンド名が入ることが多い。)
撮ったダブの所有権はサウンドマンにあり、自由にMix(編集)やアレンジして使えます。よりオリジナル性の高いダブを流すほうが現場は盛り上がります。


サウンドクラッシュとは


サウンドクラッシュとは、サウンドマン同士が自身のダブやマイクで戦うレゲエのバトルです。
マイクを使ってMC同士でディスり合うこともありますが、主にサウンドクラッシュ用に録った「ダブ」を使った攻撃が中心です。凄いサウンドマンは、相手が言いそうなことや流すダブを予想し、それを返すためだけの「当日用ダブ」を何曲も用意している場合もあります。
似ている用語としてDeeJayクラッシュもありますが、DeeJayクラッシュは2人のアーティスト(DeeJay)が自身の持ち歌や仕込みを使って戦うバトルです。サウンドクラッシュとは少し異なるので注意してください。
- サウンドクラッシュ:サウンドマン同士のバトル
- DeeJayクラッシュ:アーティスト(DeeJay)同士のバトル


サウンドマンの仕事・収入源
サウンドマンの主な仕事と収入源は以下のとおりです。
- ライブ・イベント
- 音源制作
- グッズ・アパレル・ブランド
ライブ・イベント


サウンドマンは基本的に他のアーティストと同じように、ライブやイベント、ツアーを開催することで収入を得られます。もちろん一定以上のお客さんが集まらない場合は赤字になる可能性が高いので、最初は知名度や人気を高め、自分の存在を知ってもらうことから始めます。
たとえ赤字になったとしても、自身のスキルアップにつながったり、ファンや関係者との直接的な交流の場にもなったりするので、イベントやライブを開くことは非常に重要です。
ある程度の知名度のサウンドマンになると、Zeppなどの大きめの会場でも満員になることがあり、もっと人気のある有名なサウンドマンになると、武道館や舞洲の野外会場など、1万人以上の規模で開催されることもあります。
音源制作


サウンドマンは基本的に自身で歌いませんが、トラック(リディム)を作ってアーティストに提供したり、プロデューサーとしてアーティスト(DeeJay)と共に曲を制作したりすることもあります。
制作した音源を販売することで、サウンドマンはロイヤリティを得られます。
- アルバム(CD)の売上:店舗やインターネットでアルバムやシングル曲が売れた場合、サウンドマンはその売上に対して一定の割合のロイヤリティを受け取ります。
- 楽曲のストリーミング: Apple Music、Spotify、Youtubeなどの音楽配信サービスでの楽曲ストリーミングもロイヤリティを発生させます。再生回数が増えるほど、制作者への収益も大きくなります。
- 楽曲のライセンス利用: アーティストの楽曲が広告、映画、テレビ番組などで使用される場合、制作者はその利用に対するロイヤリティ(印税)を受け取ります。
グッズ・アパレル・ブランド
ある程度の知名度や人気が出てくると自身のブランドを制作することで、オフィシャルグッズやアパレル用品(服・帽子など)を販売できます。自身のオンラインショップを運営したり、ライブやイベントの際に限定品として販売したりすることで収益を最大化します。
ブランドはアーティスト自身のスタイルやコンセプトが反映されるので、ファンにとっても価値観を共有・共感するために望まれます。
まとめ:サウンドはレゲエ文化の重要な存在


レゲエの歌い手であるDeeJayやSingerとは違い、サウンドマンは自身で歌うことがないので、あまり注目されていないと感じる人もいるかもしれませんが、サウンドマンはレゲエの文化にかかせない重要な存在です。
サウンドマンだけのライブ(ワンマン)でもお客さんが1万人以上集まることもあり、有名なサウンドマンの年収は3,000万円を超えると言われています。各々のサウンドによっても持っているダブのアーティストや年代なども異なり、それぞれの特色があるので、気になったサウンドがあればぜひ調べてみてください。
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