レゲエとヒップホップの違いと共通点を解説!文化や音楽的特徴を比較

ヒップホップ(HIPHOP)レゲエ(Reggae)は音楽のジャンルとしては異なるものですが、共通の要素や文化が多いので、兄弟のような関係と言われることが多いですよね。

どちらのジャンルも黒人音楽のルーツを持ち、社会問題や政治問題をテーマにしていることが多く、メッセージ性の強さが特徴です。また、リズムやビートに重点を置いた楽曲に韻を踏みながら歌うなど、共通点が多いです。

 

ヒップホップとレゲエは共通点が多く似ている音楽ジャンルですが、それぞれの音楽ジャンルの特徴や文化的背景が異なるため、同一のものではありません。

 

そこで今回は、ヒップホップとレゲエの違いや共通点を様々な観点から解説していきます。

目次

ヒップホップとレゲエの基本的な違い

まず、ヒップホップとレゲエは生まれた国が違います。

ヒップホップはアメリカ、レゲエはジャマイカで誕生した音楽(文化)です。

 

それぞれの定義と特徴を見ていきます。

ヒップホップの定義と特徴

アメリカニューヨーク

ヒップホップは、1970年代初頭にアメリカニューヨークで生まれた文化であり、主に黒人とラテン系の若者たちによって形成されました。ヒップホップの代表的な要素には、ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティアートがあります。

ヒップホップは、ストリート文化として始まり、ポリティカルなメッセージや現実的な問題に取り組むリリックが特徴的です。

 

レゲエの定義と特徴

ジャマイカ

レゲエは、1960年代後半にジャマイカで生まれた音楽ジャンル(文化)であり、リズム&ブルースを基にしたものです。レゲエの特徴的な要素には、Riddim(リズム)、ダブ、パトワ、ワンドロップ・リズム、ルーツ・リズム、ラスタファリなどがあります。

主に社会的な問題や精神的な自由、愛情、平和などのテーマを扱うリリックが特徴的であり、オリジナルの音源を変形させたダブ(Dub)と呼ばれる文化・音楽手法も存在します。

関連:レゲエのダブ(Dub)とは?サンプリングやラバダブとの違いもわかりやすく解説


ヒップホップとレゲエの言語の違い

ヒップホップとレゲエは生まれた国が違うので、歌詞に使われる言語にも少し違いがあります。

 

ヒップホップの言語

ヒップホップはアメリカで生まれた文化であるため英語が基本ですが、ヒップホップ独自のスラングやストリート用語が使用されることが多いです。

通常の英語ではないスラングが多く意味がよくわからない歌詞も多いと思いますが、意味を理解することで曲の内容を深く理解することができるので、わからないスラングや用語は積極的に調べてみてください。

 

ヒップホップ独自のスラングや用語は下記でまとめました。

 

レゲエの言語

レゲエではジャマイカの方言であるパトワ語という言語が使われます。

パトワ語も英語を基礎としていますが、アフリカやスペイン語、フランス語など、様々な言語からも影響を受けていると言われています。

 

レゲエの歌詞にはこのパトワ語がよく出てくるので、歌詞の意味がわからない部分も多いかと思いますが、意味をよく理解してから聴くともっとレゲエがおもしろくなるので、わからない歌詞が出てきたら積極的に調べてみてください。

 

レゲエのパトワ語やレゲエでよく出てくる用語については下記でまとめました。

 

ヒップホップとレゲエの音楽的特徴の違い

音楽的特徴の違い

ヒップホップとレゲエはどちらも韻を踏みながら歌うことで良いリズムや語感を表現することが特徴的ですが、それぞれどのような違いがあるのか見ていきます。

 

ヒップホップの音楽的特徴

ヒップホップは、ビートを基調として構成された楽曲が特徴的です。ビートは、ドラムマシンやサンプラーで作られ、ヒップホップDJがスクラッチやビートジャグリングをすることでさらに複雑になります。

また、ヒップホップの楽曲にはラップという独特なスタイルのボーカルがあり、リズミカルなトークとして社会批評や個人的なストーリーを歌うことが多く、過去の音楽や録音から抽出されたフレーズやループをサンプリングとして使われることも多いです。

 

レゲエの音楽的特徴

レゲエは、独特なリズムが特徴的で、一般的に4/4拍子で演奏されます。

また、レゲエの音楽は強いベースラインが特徴的で、このベースがドラムと共に演奏され、レゲエのリズムに深みと力強さを与えます。

 

レゲエの中でも、特に代表的なリズムの一つに「ワンドロップ(One Drop)」があります。ワンドロップは、名前の通り、1つのドラムビートにフォーカスを当てたリズムスタイルで、非常に特徴的なグルーヴ感を生み出します。

ワンドロップの特徴は、ドラムのビートが非常に簡単なものでありながら、そのグルーヴ感が非常に強く、耳に残りやすいという点です。また、オフビートを強調することが多いレゲエのリズムに比べ、ワンドロップは、ストレートなリズム感があり、落ち着いた雰囲気を持っています。

 

ワンドロップは、多くのレゲエアーティストによってライブや音源で使用され、歌唱中にバンドやバックDJに指示を出すことで音楽に変化や緩急をつけ、グルーヴを強調させることができます。

 

 

レゲエは厳密には、1960年代に誕生したレゲエの原点となる「スカ」、「ロックステディ」などのルーツ・レゲエや、1980年代に登場したダンスホールレゲエ、そして1990年代に登場したニュー・ルーツレゲトンなど、レゲエの中にも様々なジャンルが存在します。

 

ヒップホップとレゲエのバトルの違い

ヒップホップとレゲエには、それぞれバトルの文化があります。

二人のアーティストが音楽の上で自身の言葉やリリックを使い、お互いのスキルを競い合います。基本的には相手をディスり合う攻撃が中心ですが、お互いの関係性や流れによってはリスペクトを伝えたり、会場を盛り上げて競う戦いになることもあります。

 

ヒップホップとレゲエのバトルはそれぞれ呼び方が異なります。

  • ヒップホップのバトル:MCバトル(ラップバトル)
  • レゲエのバトル:DeeJayクラッシュ

 

MCバトルとDeeJayクラッシュはどちらもバトルの文化として似ている要素もありますが、それぞれのルールや特徴が少し異なります。

MCバトルの特徴

MCバトルのルールと特徴は以下のとおりです。

  • 先攻・後攻を決める
  • 小節・ターン数が決まっている(◯小節×◯ターンなど)
  • 1試合は数分で終わる
  • 1試合1ビート固定
  • トーナメントが基本
  • 即興・ラップが中心

 

MCバトルのルールや特徴については以下で詳しく解説しました。

 

DeeJayクラッシュの特徴

DeeJayクラッシュの特徴は以下のとおりです。

  • 先攻・後攻は決めない
  • 時間制
  • 1試合15分以上
  • バトル中にバトルリディムが変わる
  • バンド操作が自由
  • マッチメイクが基本
  • 持ち歌・仕込みが中心

 

DeeJayクラッシュのルールや特徴については以下で詳しく解説しました。

 

ヒップホップとレゲエのファッションの違い

ヒップホップとレゲエにはそれぞれ代表的なファッションがあります。

すべてのヒップホップ・レゲエアーティストがこのようなファッションをしているというわけではないですが、それぞれのファッションの傾向を見ていきます。

 

ヒップホップのファッションの特徴

ヒップホップのファッションは、大きなTシャツやパーカー、ジーンズ、バギージーンズ、ゴールドチェーンなどが特徴的です。また、スニーカーやキャップなどの小物も人気があります。このようなスタイルは、アメリカの黒人文化がルーツとなっており、スポーティーでストリート感のあるデザインが多いことが特徴です。

 

レゲエのファッションの特徴

レゲエのファッションは、明るい色の派手なシャツやベレー帽、ドレッドヘアー、バンダナなどが特徴的です。また、ラスタカラーと呼ばれる赤、黄、緑の組み合わせが用いられることが多く、ダンスホールクイーンやラスタファリアンの影響が感じられます。

 

ジャマイカではこのようなファッションが多いですが、日本のレゲエアーティストはこのようなファッションの人はあまりいないです。人によって様々ですが、ヒップホップ同様ストリート系のファッションが多い傾向にあります。

 

ヒップホップとレゲエの普及範囲の違い

普及範囲の違い

ヒップホップの普及範囲の特徴

ヒップホップは、アメリカ合衆国の都市部で誕生し、アフリカ系アメリカ人の文化として発展してきました。その後、ラップやダンスの人気が高まり、現在ではアメリカ国内はもちろん、世界中に普及しています。特に、日本でも1990年代以降に急速に広まり、若者を中心に大きな文化現象となりました。

 

レゲエの普及範囲の特徴

レゲエは、ジャマイカで誕生した音楽ジャンルで、カリブ海地域を中心に広まっていきました。レゲエの歌詞は、貧困や社会的な不平等、人種差別などの社会問題を扱っており、そのメッセージ性が世界中の人々に受け入れられ、広がりを見せました。現在では、アフリカや欧州、南米、アジアなど世界各地で親しまれています。

 

ヒップホップとレゲエの融合や共通点

ヒップホップとレゲエの違いを説明してきましたが、以下のような共通点があります。

  1. リズムとビート:ヒップホップとレゲエは、両方ともリズムやビートに重点を置いた音楽ジャンルです。
  2. 韻:ヒップホップとレゲエはどちらも韻を踏みながら歌います。韻を踏むことによって歌詞にリズム感やメロディを持たせたり、メッセージをより強調させることができます。韻のうまさが自身のスタイルや技術のアピールにもなります。
  3. 社会的・政治的な問題への取り組み: レゲエとヒップホップは、社会的・政治的な問題に取り組むメッセージを含む歌詞を持っていることがあります。ヒップホップの歌詞には、社会的な不平等、人種差別、暴力、貧困、政治、若者の問題などが含まれ、レゲエの歌詞には、貧困、人権、平和、愛、自由、平等などのテーマが含まれています。
  4. サンプリング: ヒップホップとレゲエは、両方ともサンプリングと呼ばれる音楽の技法を使用します。サンプリングとは、別の曲や音源から音楽的な要素を借用して、新しい楽曲を作ることです。
  5. ダンス: ヒップホップとレゲエは、ダンスと密接に関連しています。ヒップホップは、ブレイクダンスやポッピングなどの複数のダンススタイルを生み出しました。一方、レゲエは、ダブダンスやレゲエダンスホールなどのダンススタイルを生み出しました。
  6. 文化的な影響: ヒップホップとレゲエは、どちらも黒人文化であり、音楽のみならずファッション、アート、文化的なアイデンティティにも影響を与えています。両方のジャンルは、若者文化として誕生し、現代の音楽やファッションに多大な影響を与えています。
  7. マリファナ(大麻):ヒップホップとレゲエは、両方ともマリファナが精神的な象徴として位置付けられたり、ライフスタイルの一部として認識されています。そのため、歌詞やアートワークで頻繁にマリファナが使用されます。

 

マリファナ(大麻)の文化

ヒップホップとレゲエはどちらもマリファナ(大麻)が精神的な象徴と位置付けられており、ライフスタイルの一環として日常生活でもあたりまえのように使用されています。そのため、楽曲やアートワークなどにも度々マリファナが出てきたり、吸っている描写が描かれていることも多いです。

日本では残念ながらマリファナの所持は違法なので、簡単に入手して吸うことはできません。

 

どうしても吸いたいのであれば、以下の記事も参考にしてみてください。

 

まとめ

最近ではヒップホップのラッパーとレゲエのDeeJayがコラボして楽曲を作ったり、両者のアーティストが一緒にライブをすることも多くなってきています。

ヒップホップのMCバトルにレゲエDeeJayが出場することも多くなってきていますよね。

関連:MCバトルに出たことがあるレゲエDeejayの出場履歴と戦績まとめ

 

ヒップホップとレゲエは兄弟でありライバルみたいなものなので、これからもお互いがコラボしたり切磋琢磨し合うことで、両者の人気がもっと上がっていけば嬉しいですね。

 

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この記事を書いた人

大阪出身のブロガー。小学生の頃にレゲエにハマり、レゲエの音楽を20年以上聴いています。レゲエDeeJayがMCバトルに出場したのをきっかけに、ヒップホップも聴くようになりました。
ヒップホップやレゲエの音楽・文化をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、ヒップホップやレゲエに関する情報を発信しています。

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