有名なヒップホップアーティストやラッパーを見ていると、華やかなジュエリーを身にまとったり、数千万円越えの高級車に乗っていたりと、“なぜそんなにお金を持っているのか”と不思議に思う人もいるのではないでしょうか。
この記事では、ヒップホップのアーティストやラッパーの”収入源はどこからなのか”、”年収はどれくらいなのか”を解説します。ラッパーの年収が知りたい人や、ラッパーを目指している人はぜひチェックしてください。
ラッパーの収入源

主にヒップホップアーティストやラッパーの収入源は以下のとおりです。
- 音源:レコード契約と音楽配信
- ライブ:イベントやツアー
- MCバトル:賞金とギャラ
- ファッション:マーチャンダイズとブランド
- メディア出演:テレビ番組やネットメディア
- インフルエンサーとして活動:SNSやネット配信

思ったよりも色々ありますよね。
それぞれの仕組みを知っておきましょう。
音源:レコード契約と音楽配信


音源の売り上げは最も王道でラッパーたちが力を入れている収益源になります。
ある程度の人気と知名度が上がってきたラッパーはメジャーレコードと契約することで、アルバム制作やプロモーション活動が可能です。契約により、アーティストはアルバムの売り上げから得た収入や、楽曲のロイヤリティ(使用料)を得られます。
しかしレコード会社やレーベルにあえて所属せず(メジャー契約せず)セルフプロデュースすることで、すべての収益を自分で得るという手段もあります。



メジャー契約はデメリットも多いよ。
メジャー契約のメリット・デメリット
メジャーレコード契約は、アーティストとレコード会社との専属契約を指します。メジャー契約により複数のメリットが生まれ、アーティストにとってはさまざまな影響があります。
メジャー契約によるメリットは主に以下の2点です。
- 制作費の提供
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メジャーレコード会社はアーティストに制作費を提供し、アーティストは高品質な制作や広告活動が可能になります。
- プロモーションと広告
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メジャーレコード契約により、アーティストはプロモーションや広告のサポートを受けられ、一般のリスナーにアーティストの音楽を知ってもらいやすくなります。
ラッパーはアルバムの販売に対してロイヤリティを受け取ります。通常、アルバムが物理的な形態で売られた場合やデジタルで販売された場合、売上に応じてアーティストが契約で定めた割合の収益を得られます。
ロイヤリティの仕組み
契約に基づいてアルバムが販売され、ストリーミングされるたびに、ラッパーはロイヤリティを得られます。ロイヤリティは以下の要素から構成されます。
- アルバムの売上
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アルバムが物理的にまたはデジタルで販売された場合、ラッパーは売上に対して一定の割合のロイヤリティを受け取ります。
- 楽曲のストリーミング
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SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスでの楽曲ストリーミングもロイヤリティを発生させます。再生回数が増えるほど、アーティストには収益が入ります。
- 楽曲のライセンス利用
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アーティストの楽曲が広告、映画、テレビ番組などで使用される場合、ラッパーは利用に対するロイヤリティを受け取ります。
ロイヤリティの仕組みにより、レコード契約を通じてラッパーは安定した年収を得ることが期待されます。
ライブ:イベントとツアー


ラッパーはライブイベントやツアーを開催することで、収入を得られます。ライブやイベントは収入源としてだけでなく、ファンとの直接的な交流の場になり、自身のスキルアップにもつながるので、音楽キャリアにおいてもとても重要な役割を果たします。
ライブの収益
ライブイベントを開催することで得られる売り上げは主に以下の2点です。
- チケットの売り上げ
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ライブ開催による主要な収益源はチケットの売り上げです。会場の大きさや収容人数にもよりますが、ある程度人気のあるアーティストになると、1回のライブで数千〜数万人のお客さんを呼び寄せ、チケットを購入してもらえます。
- グッズ販売の売り上げ
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ライブイベントでは、一般的にアーティストのオフィシャルグッズが販売されることが多いです。アーティストのTシャツやキャップ、アクセサリー、タオル、アルバム(CD)などを会場で販売することにより、アーティストに追加の収益をもたらします。
イベント限定のアイテムなども販売され場合が多いので、ファンにとっても嬉しいことですよね。
ツアーのビジネスモデル
ツアーの成功には計画と戦略が重要です。アーティストは地域ごとの需要を分析したり、ターゲットの観客層を確認したりしながらコンサートホールやイベントスペースを慎重に選定する必要があります。
日程の調整や予算の管理、交渉、広報などを適切にマネジメントし、舞台制作やスタッフ配置もツアーの成功に関係します。ツアーの収益はチケット売上やグッズ販売だけでなく、スポンサーシップやメディア権利、ライセンシングからも発生し、関係者間で適切に分配されます。
MCバトル:ギャラと賞金


ラッパーはMCバトルのイベントや大会に出場することでギャラを貰えたり、優勝することで賞金が貰えたりすることがあります。MCバトルとは、ラッパー同士がビートに乗りながら即興でラップをすることでスキルを競い合う勝負のことであり、ヒップホップ文化の一つです。


最近では毎月のように各地でMCバトルイベントが開催されているため、ギャラや賞金はラッパーにとっての収入源になる場合があります。
- MCバトルのギャラはいくら?
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ギャラ=ギャランティとは出演料のことで、出演オファーを受けてバトルに出場することでギャラを貰えることがあります。ギャラの金額はラッパーの人気や知名度、実力などによって異なり、大会のオーガナイザー(主催者)との交渉、契約によって決まります。
MCバトルのイベントや大会によっては、逆に出演料を支払って大会に出場させてもらう場合や、ギャラが出ない大会もあります。(予選大会など)
- 優勝賞金はいくら?
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MCバトルでは基本的に優勝することで賞金が与えられます。賞金の金額はイベントや大会によって異なり、数万〜数百万円までさまざまです。
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最近ではMCバトルが急速に発展していることから、FSL(フリースタイルリーグ)と呼ばれるマッチメイク方式のMCバトルのプロリーグが立ち上がりました。
FSLは主催者からのオファーによって出場できますが、勝利することによってスポンサーから商品が貰えることがあります。FSLについては以下の記事で詳しく解説しました。
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最近ではMCバトルの人気が上昇していることから、大規模なイベントや大会が頻繁に開催されるようになり、YoutubeやAbema等での視聴者も拡大しています。MCバトルに出場して成績を残せば、自身の知名度や人気、音源の売上げの向上にもつながります。
ファッション:マーチャンダイズとブランド活用


成功したラッパーは自身のブランドを築くことで、Tシャツや帽子、アクセサリーなどのオフィシャルグッズを販売し、収益を得られます。ファッション・マーチャンダイズはアーティストのスタイルやブランドイメージを反映するので、ファンはアーティストの音楽だけでなく、ライフスタイルや価値観にも共感を覚え、その象徴となるアイテムを手に入れることを望むようになります。


アーティストは自身のオンラインストアを運営し、ブランド商品を直接的に販売することが一般的です。これにより中間業者を介さずに年収を最大化します。最近ではSNSを通じて販売したり、ライブイベントやツアーで直接販売したりすることも多くなっています。
メディア出演:テレビ番組やネットメディア


有名なラッパーになれば、テレビ番組やラジオ、ネットメディアに出演することで出演料を貰え、レギュラーになれば安定的な収入源になります。メディア出演は多くの視聴者や一般層にまで自身の活動イメージを届けられるので、収入面だけでなく、知名度や人気を一気に向上させることが可能です。
インフルエンサーとしての活動:SNSやネット配信


ラッパーはソーシャルメディア(SNS)やYoutubeなどのネット配信を通じて、インフルエンサーとして収益を得る方法もあります。
ソーシャルメディアとインフルエンサーマーケティングは、現代のヒップホップアーティストにとって非常に重要な役割を果たしています。
ラッパーがSNSで稼ぐ方法
X(旧Twitter)やインスタグラムなどのSNSフォロワーが多ければ、企業から広告オファーがきたり、商品やサービスを紹介したりすることで広告収入を得られます。
SNSではファンや一般人と直接的なやり取りができるので、新たなファンの獲得や既存のファンとの継続的な関係を築けます。ファンにとってもアーティストの日常制作や制作の進捗を知れるので、コメントやコンテンツの投稿によって多くのファンとの距離感を縮められます。
ラッパーがネット配信で稼ぐ方法
最近では、ラッパーやHIPHOPアーティストがYoutubeチャンネルを開設することが多くなっています。Youtubeで自身の音楽を発信するだけでなく、イベントの舞台裏や制作現場を公開することで、チャンネル登録者を増やし、Youtubeの広告収入によって年収アップにもつながります。
YoutubeやTikTokではライブ配信も可能で、視聴者とメッセージや音声で直接会話をしたり、質問に答えたりもできます。視聴者が配信者(アーティスト側)にお金を与えられる”スーパーチャット”や”バッジ機能”と呼ばれる投げ銭機能があるので、ライブ配信をすることでアーティストは収入を得られる場合もあります。
ラッパーの年収


当たり前ですがラッパーの年収は、人気や知名度、実力によって異なります。では、トップクラスのラッパーになると、どれくらい稼いでいるのかを見ていきます。
日本トップクラスのヒップホップクルー「BADHOP」のブレインであるyzerrさんは、過去にインスタグラムでとんでもない金額の買い物をしたという投稿をしていました。



なんと 一日で1億円以上の買い物!
この金額を支払える収入はどこからあるのかを推測していきます。BAD HOPの収益源を簡単に予想すると以下のとおりです。
- Youtubeの広告収益
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BADHOPのYoutubeチャンネルでは、3,000万回以上再生されている楽曲が『Ocean view』と『Life style』の2つあり、2,500万回再生の『KAWASAKI drift』、他にも1,000万回再生以上の楽曲が6つもあります。Youtubeの総再生回数はなんと約3億回再生以上になります。
Youtubeの広告単価は、動画のジャンルや尺など、他にもさまざまな要因によって変わりますが、平均的な1再生あたりの広告単価0.3〜0.4円だと仮定すると、Youtubeだけで1億円以上の収益が入っているということが予想できます。
- アパレルの販売収益
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BAD HOPは『BreatH(ブレス)』というアパレルブランドを運営しており、公式サイトを見てみるとTシャツやキャップで1万円前後、パーカーやスウェットで3万円前後、アウターは5万円前後となり、ブランドが確立されたストリートブランドと同程度かそれ以上の値段となっています。
基本的に販売数は公開されないためどれくらいの数が売れているのかは不明ですが、過去に出したアパレルはほとんどが”SOLD OUT”となっているので、かなりの売り上げがあることが予想できます。
»BreatH販売サイト - クラフトビールの売上収益
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BAD HOPは『BUZZ HIGHER(バズハイヤー)』というクラフトビールメーカーを設立しており、アルコール飲料を販売しています。こちらもすべてSOLD OUTとなっており、定期購買(サブスク)による販売も行っているため、固定収入も入る仕組みになっています。
他にも、音源や配信、ライブのチケット売り上げなど、予想できないですがメインとなる音楽ではさらに収入があることが予想できるため、メンバーの年収はまさに桁違いの金額だと予想できます。BAD HOPはレコード会社との契約などはしておらず、基本的にすべてセルフプロデュースでの活動になるので、収益や報酬は中抜きがなく、すべて自分達だけのものになります。
まとめ:大金を稼げるラッパーは一握り


ラッパーやヒップホップアーティストの収入源は、音源やライブ、MCバトル、ブランド、メディア出演などさまざまです。しかし大金を稼げるラッパーはほんの一握りであり、仕事やアルバイトで生計を立てながら活動しているラッパーも多くいます。
ラッパーが成功して大金を手に入れるためには、単に音楽やラップがイケてるだけじゃなく、さまざまな方面での活動や創造力による継続的な努力が必要です。BAD HOPの収入予想でも見たように、ラッパーには成功することで使いきれないほどの大金を手にするチャンスが眠っています。
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