【レゲエ用語】初心者でも抑えておくべき今さら聞けないレゲエ用語、パトワ語一覧

レゲエはパトワ語というジャマイカの言葉を使って歌われることがあります。最近レゲエを聴き始めた人にとっては、聴き慣れない言葉が出てきたり、あまり意味がわからなかったりする部分も多いのではないでしょうか。

この記事では「レゲエでよく耳にするけど意味がわからない言葉がある」という人に向けて、レゲエの歌によく入っている押さえておきたいレゲエ用語を解説します。少しでもレゲエに興味がある人の参考になれば嬉しいです(^ ^)

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パトワ語とはどんな言葉?レゲエの本場ジャマイカで使われる

パトワ語(patois)は、ジャマイカのクレオール言語の一つであり、英語を基にした言語です。(英語の訛りのようなもの)

ジャマイカの一部の地域で話されており、レゲエ音楽やダンスホールミュージックなど、カリブ海地域の文化と密接に結びついております。

パトワ語は、奴隷制度の時代にアフリカから連れてこられた奴隷と、ヨーロッパからの植民地支配によってジャマイカにもたらされたイギリス人との交流の中で発展しました。英語が基盤となっているものの、アフリカ系の言語や現地の方言、スペイン語などの影響も受けて、独自の発展を遂げました。

パトワ語は、英語とは異なる文法構造や語彙を持っており、ジャマイカの日常会話や歌詞、トークイベントなどで広く使用されています。ただし、ジャマイカでは公式には英語が用いられ、教育や法的な文書、公共の場での使用は英語が主流です。パトワ語は主に非公式のコミュニケーションや文化表現において重要な役割を果たしています。

レゲエの本場、ジャマイカで日常的に使われる言語のため、日本のレゲエDeeJayやアーティストの曲にも、パトワ語が歌詞に含められていることが多いです。

初心者が押さえておきたいレゲエ用語・パトワ語

レゲエの音楽で主によく登場するレゲエ用語・パトワ語は以下のとおりです。

  • Big Up (ビゴップ)
  • Irie (アイリー)
  • 45(フォーティーファイブ)
  • Clash (クラッシュ)
  • Wah Gwaan (ワーグワーン)
  • ヤーマン(Yah Man)
  • バビロン(Babylon)
  • リディム(Riddim)
  • インフォーマー(Informer)
  • ワイニー(Winey)
  • ボンボクラ(Bombo Claat)
  • スラックネス(Slackness)
  • ダブ(Dub)
  • ガンジャ(Ganja)
  • THC・CBD
  • ラガマフィン(Raggamuffin)
  • ボスる(Bussる)
  • ラスタファーライ(Rastafari)
  • ザイオン(Zion)

Big Up (ビゴップ)

Big Upはレゲエ音楽やジャマイカのカリブ地域で使われるスラングで、誰かを賞賛したり、尊敬したりするときに使用されます。”Respect”や”Props”などと同様の意味を持ち、”大きな”、”偉大な”、”重要な”、”立派な”などの意味を含んでいます。

Irie (アイリー)

Irieは一般的に「良い状態である」「穏やかで心地よい気分」「平和で幸福感のある状態」というような状態を表すスラングです。”Irie”は、一般的に穏やかで心地よい気分や、満足感、平和な状態、幸福感などを表す場合があります。

“Irie”は、何かが順調であるときや、良い状態にあるときに使用されます。例えば、レゲエの歌詞で”Irie”が使われる場合、楽しいパーティーに参加しているときや、良い気分で過ごしているときに使用されます。「Irieな気分」や、「Irieな音楽」などとよく表現されます。

似たスラングとして、”Chill”という言葉もありますが、”Chill”は、通常、穏やかでリラックスした状態を表します。”Chill”は、ストレスや緊張がない、ゆったりとした雰囲気を表し、リラックスした環境で友達と過ごすときや、ゆったりとした音楽を聴きながらくつろぐときに使用されます。

45(フォーティーファイブ)

7インチレコード

45(フォーティーファイブ)はドーナツ盤の7インチレコードのことです。(45回転レコードのため45と呼ばれるようです。)

A面(表面)に原曲が入っており、B面(裏面)にはインスト、リディムだけが入ってることが多いです。

クラッシュ(Clash)

レゲエのClashには、レゲエの歌い手やDeeJayが行う“DeeJay Clash”と、サウンドマウンやDJが行う“Sound Clash”があります。

DeeJayクラッシュ

2人のDeeJayが自分の持ち歌や仕込みのネタを使い、バンドを操りながら交互に相手をディスり合うレゲエのバトルです。

サウンドクラッシュ

サウンドマン同士が自身のダブやマイクで戦うレゲエのバトルです。

DeeJayクラッシュはヒップホップのMCバトルに似ていますが、小節の縛りがなく、攻撃の交代はそれぞれのDeeJayがその場の雰囲気でタイミングを見て切り替わります。

HIPHOPのMCバトルに比べると、仕込みのネタや自分の持ち歌をカスタムして歌うことによる攻撃が多いですが、その場の雰囲気などによっては即興でフリースタイルをすることもあり、明確なルールは決まっていない何でもありのバトルです。

DeeJayクラッシュの代表的なイベントには「Combat」が有名です。

Wah Gwaan (ワーグワーン)

Wah Gwaanは「元気?」「調子どう?」のように友好的な挨拶や、相手に近況を尋ねるときに使われます。”Wath’s going on?”からきているようです。ジャマイカで”Wah Gwaan”と聞かれたら、調子の良い状態なら”Mi deh ya”や、”Everything criss”と答えるのが一般的です。

ヤーマン(Yah Man)

ヤーマン(Yah Man)は本来、Yesという意味です。最近は挨拶のように使われることもありますが、本来の使い方としては正しくありません。(挨拶はWah Gwaanが使われることが多い)

Yah Man = Yes Manという意味。ちなみにYah Manの反対はNo Manになります。

バビロン(Babylon)

バビロン(Babylon)とは権力や金で悪いことや汚いことをするシステムのことです。警察や政治家などに対して使われることが多いですが、警察や政治家そのもののことではなく、あくまでもそいういう社会やシステムのことを指します。

バビロンシステムなどと言われることが多いです。

リディム(Riddim)

Riddim

リディム(Riddim)はいわゆるリズムのこと。一般的な音楽ではインスト(instrument)やバージョン(version)などと呼ばれ、歌の入っていないリズムだけの音楽のことです。

ラバダブなどでよくDeejayが「Gimme di Riddim!!」と言うことがありますが、あれはリディムを流してくれという意味ですね。また、ヒップホップではビートと呼ばれることが多いです。

インフォーマー(Informer)

インフォーマーは、”密告者”や”ちくり”という意味の言葉。本人がいない場所でその人の情報や秘密をペラペラと喋る人はインフォーマーと呼ばれ、ジャマイカでは嫌われます。

ワイニー(Winey)

ワイニー(Winey)はレゲエ特有の、エロくセクシーに女性が腰をうねらすような動きのことです。伝わりにくい人はぜひYoutubeなどでワイニーを調べて見てください。

ボンボクラ(Bombo Claat)

ボンボクラ(Bombo Claat)は直訳すると、Bombo = 女性器、Claat = 布なので、生理ナプキンのことになります。しかしレゲエでいうボンボクラは、ヤバい!や危ない!最高!など、良い意味で使われることも多いです。

スラックネス(Slackness)

スラックネス(Slackness)は下ネタのことです。下ネタ系のリリックをよく使うDeejayのことをSLACKNESS DEEJAYなどと呼ぶこともあります。

日本のDeejayだとKENTY GROSSが代表的ですね。

ダブ(Dub)

ダブとはDUB PLATE(ダブプレート )の略で、レゲエDeejayやアーティストの音源の歌詞に、自分の名前や入れたい言葉に変えて歌ってもらう、世界に1曲だけのオリジナル曲のことです。ダブは実際の音源とは別のRiddimに乗せて歌ってもらうこともあります。

ダブはレゲエ特有の文化で、ダブを欲しい人がアーティストにお願いし、お金を払って作ってもらいます。料金はアーティストや音源によって変わるようです。

基本的にはサウンドマンがアーティストにお金を払ってダブを録ってもらい、現場でかけて盛り上げることが多いです。最近では一般の人もSNSなどから好きなアーティストにお願いし、結婚式や誕生日用にダブを録ってもらうことも多くなってきています。

ダブについては以下の記事で詳しく解説しました。

ガンジャ(Ganja)

ガンジャ(Ganja)とは大麻、マリファナのことです。

THC・CBD

THCやCBDは大麻(マリファナ)に含まれる成分のことです。レゲエの曲のリリック(歌詞)によく出てきます。

ラガマフィン(Raggamuffin)

ラガマフィンはニュアンス的には男気がある、粋な男などの意味で使われることが多いです。日本ではよく使われる言葉ですが、ジャマイカでは最近あまり使われず死後になりつつあるようです。

ラガマフィンは略してラガと言われることが多いです。

ボスる(Bussる)

ボスるは爆発するというようなニュアンスで使われることが多いです。似たような言葉では、MUSH UPと言われることもありますが、ニュアンス的にはボスるのほうが大きく会場が沸いたイメージになります。

DeeJayが歌った時に会場がドーンと沸くとボスったと言われたりします。反対に盛り上がらなかったりスベったりした場合は「フラップする」と言われます。

ラスタファーライ(Rastafari)

ラスタカラー

ラスタファーライは宗教的なものです。ジャマイカの奴隷解放のためのラスタファリ運動という思想運動になります。詳しくは語りませんが、レゲエはこのラスタファリ運動から生まれた音楽ジャンルです。

ザイオン(Zion)

ザイオン(Zion)は神の国、天国という意味です。レゲエの起源であるジャマイカでは、差別や奴隷の扱いを受けていた過去があります。

ザイオンはそういった支配の影響を受けない神聖な場所=神の国という考えで使われるようになったとのことです。

まとめ:パトワ語がわかればレゲエがさらにおもしろくなる!

今回は、レゲエの音楽でよく出てくるレゲエ用語を解説しました。レゲエはジャマイカのパトワ語で歌われるので、意味がわかりづらい部分も多いですよね。 

意味をよく理解してから聴くともっとレゲエがおもしろくなってくるので、他にもわからない言葉が出てきたら積極的に調べてみてください。


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この記事を書いた人

ヒプラガのアバター ヒプラガ ライター/ブロガー

大阪出身のブロガー。小学生の頃にレゲエにハマり、レゲエの音楽を20年以上聴いています。レゲエDeeJayがMCバトルに出場したのをきっかけに、ヒップホップも聴くようになりました。
ヒップホップやレゲエの音楽・文化をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、ヒップホップやレゲエに関する情報を発信しています。

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